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ささきしょうこと新垣比菜の共通点は「高い球を打てるスイング」にあり【辻にぃ見聞】

女子ゴルフ世界一決定戦の「ULインターナショナル・クラウン」や韓国女子ツアー公式戦「ハイトジンロ選手権」が同週に行われたこともあり、賞金ランキングトップ5をはじめとした上位勢がそろって不在となった「スタンレーレディス」は、トータル10アンダーまで伸ばしたささきしょうこが優勝した。また好調の新垣比菜も上位争いし、1打差2位タイに。今年最後の静岡での激闘を上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が語る。

【写真】優勝トロフィーを誇らしげに掲げるささきしょうこ

■ささきしょうこと新垣比菜のスイングの共通点

舞台となった東名カントリークラブはアップダウンがきつく、砲台グリーンも多い。そしてグリーンも硬くスピードが速い。歴代優勝者を見ても有村智恵、アン・ソンジュ(韓国)が3勝ずつしているようにショットの精度が高くなければ勝つことができないことが分かる。また、起伏の激しいコースで3日間戦うための体力も当然必要だ。

また、攻めるホール、守らないといけないホールがはっきりしているのも特徴。「前半の7番から9番でしっかりスコアを伸ばしてアンダーで回ること。そして次の10番から12番までの難ホールが続く“東名のアーメンコーナー”でいかにスコアを落とさないか。そこが今大会の攻略のカギです」と辻村氏も語る。

辻村氏は、そんなコースで優勝したささきの持ち味として「スピンの効いた高い球」を挙げる。「今大会では、調子が良かった去年の前半戦ほどではなかったですが」と前置きした上で、

「彼女の球の高さを生み出しているのは“ボールと近い距離でアドレスができる”こと。これによりスイングが縦軌道になります。また、トップの高さもある程度ありますから、クラブが高い位置から縦で降りてくるため、打ち出し角が高く、スピンの効いたボールになります。つまり、最高到達点の高い球でグリーンを攻められる。こういった硬い砲台グリーンの多いコースでは良さが際立ちます」

この特徴、2位タイとなった新垣と共通している部分だという。

「2人のスイングはよく見ていると結構似ています。左手の甲とフェースの向きがつねに一定方向を向いているので、適切なスピンを入れられ、球のねじれが少ない。手元はつねに体と“こぶし1つ”の距離を保てているから、しっかりと体を使って打てます。フェース面のコントロールの良さが生み出す打ち出し角の高い球が、2人を好成績に導いたと言えますね」

■新垣比菜の長所と改善すべき部分

新垣はここ4試合で2位が2回、他2試合も8位、11位と好調をキープ。本人も「好調なうちに勝ちたいです」と話している。スタッツ面を見てみると際立っているのが平均パット数(パーオンホール)。名手・鈴木愛に続く2位につけている。

「新垣さんのパッティングの良さは自然体であること。どういう打ち方をしよう、とかは考えず打ち出すライン、スピードだけを考えてストロークできています。あれこれ考えず、自然なリズムの中でタッチを出せています。パッティングもスイングと一緒。どこか一カ所を意識すれば、詰まりのない滑らかなストロークができなくなってしまう。加えてほとんどショートしない強気なパッティングができる部分も強みです」(辻村氏)

一方で辻村氏が「さらに強くなるために」と新垣に求めたのがスイングの再現性。

「先ほどいったように彼女のスイングは素晴らしいものがあります。スイングアークも大きいから飛距離も出せる。ですが、悪いときは腰が最後まで回りきらずに止まってしまうので、フィニッシュが崩れる。スコアを伸ばしたいホールの8番でバンカーから出なかった2打目や、レイアップしようとして右にふかしてラフにいってしまった18番パー5の2打目などでみられましたが、緊張感のある場面でも、いつものスイングができるようになることが求められます。

それでも、この位置で戦える能力のある選手ですし、アグレッシブさにも目を見張るものがある。状況に惑わされないスイングの再現性を作ることができれば、年間複数回優勝ができるプレーヤーになると思います」

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、比嘉真美子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

<ゴルフ情報ALBA.Net>